
食品工場のHACCP温度計管理|校正記録と台帳の作り方【2026年版】
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食品工場の温度計管理は、一台ごとの機器IDを工程・HACCP記録・校正結果・逸脱処置へ結び、分散した現場でも同じ台帳ルールで追跡します。工程やラインの名称だけでは、同じ場所に複数の温度計がある場合に個体を特定できません。機器IDを起点に、現物、校正記録、関連するHACCP記録の参照先をつなげます。
温度計の校正年数を法令から一律に決めるのではなく、HACCPのモニタリング・改善措置・検証・記録と、温度計管理の実務を分けて設計します。品質保証部門は、どの工程で、どの個体を、どの記録と関連付けるかを説明できる台帳にします。
HACCPと温度計校正の関係を正しく分ける

HACCPの記録と温度計の校正記録は、どちらも温度に関係しますが、目的と記録の粒度が異なります。まず法令で確認できるHACCPの管理事項と、個体単位で行う温度計管理を別の記録として扱います。
別表第十八が扱うモニタリング・改善措置・検証・記録
食品衛生法施行規則 別表第十八は、HACCPに沿った衛生管理における危害要因の分析、重要管理点、管理基準、モニタリング、改善措置、検証、記録を扱います。温度を確認する工程では、モニタリングの結果がどの温度計で得られたかを追えると、記録の参照関係を説明しやすくなります。台帳には、機器IDと工程・ライン・HACCP記録参照番号を関連付けます。
HACCP記録には工程の実施状況を、温度計台帳には個体の状態、校正・確認の履歴、保管場所を残します。同じ帳票へすべてを書き込むのでなく、双方を機器ID又は参照番号でつなぎます。工程変更、温度計の交換、記録様式の改定があれば、関連付けを見直す契機にします。
別表第十八は温度計校正や校正年数を明記していない
別表第十八には、温度計の校正や校正年数を明記した記載はありません。そのため「年1回」のような周期をHACCPの義務として扱わず、用途、使用条件、メーカー情報、顧客又は認証に関する要求、過去の結果を基に自社で決めます。周期を設定した理由と見直し条件を台帳へ残します。
温度計の管理は、HACCP記録を残すことそのものとは別に、測定結果の信頼性を支える運用です。校正・確認の方法、基準器、結果、判定、実施者、次回確認日を個体ごとに記録します。温度計や温湿度計の一般的な管理は、温度計・温湿度計の校正管理で確認できます。
業種規制の管理事項を台帳へ翻訳する考え方は、ISO13485・QMS省令第53条の計測器管理や、GMP省令の計器校正と記録と比較できます。食品工場では、温度計とHACCP記録の参照関係に焦点を置きます。
食品工場の温度計を台帳で漏れなく識別する

温度計が分散する食品工場では、名称だけでなく、工程、ライン、設置場所、用途を組み合わせて個体を特定します。台帳と現物の管理番号ラベルを照合できれば、移動や交換があっても履歴を追えます。
工程・ライン・設置場所・用途で機器IDを付ける
機器IDは、同じラインにある複数の温度計を区別できる一意の番号にします。台帳には、名称、型式、シリアル、工程、ライン、設置場所、用途、担当部署、保管場所を登録します。たとえば「冷却工程」のような広い表記だけでなく、どのラインのどの確認に使う個体かを記録します。
温度計を交換、移設、修理したときは、機器ID、旧設置場所、新設置場所、切替日、関連するHACCP記録の参照先を更新します。現物の表示を見つけにくい場合は、専用ケース又は保管場所の表示と台帳を対応付けます。一般的な台帳の作り方は、計測器管理台帳の作り方を基に、食品工場の工程情報を追加します。
現場用温度計・基準に使う温度計・固定センサーを区分する
現場で日常的に確認する温度計、確認の基準に使う温度計、設備に固定されたセンサーは、用途と管理の根拠が同じとは限りません。台帳で「現場用」「基準に使う」「固定」の3区分を持たせ、測定目的、使用工程、校正・確認方法、責任部門を分けます。区分を決めると、どの個体の結果を判断根拠にするかを確認しやすくなります。
固定センサーは設備台帳だけに置かず、測定値を得る個体として必要な範囲を計測器台帳へ関連付けます。一方で、設備の保全履歴と温度計の校正・確認履歴は別の記録です。管理対象を増やしすぎず、製品・工程の判断に使う測定と個体の関係を見て対象を決めます。
HACCP記録と校正記録を機器IDで結ぶ

HACCP記録と校正記録を結ぶときは、日々の温度値を同じ仕組みへ自動的に取り込むことを前提にしません。台帳には関連記録の番号又は保管先を持たせ、必要なときに個体から参照できる状態を作ります。
工程・温度計・校正結果・関連記録の参照先を一表にする

次の表は、食品工場で使う温度計とHACCP記録の参照関係を整理するための対応表です。計測器校正HUBでは、管理番号、保管場所、使用部署、校正履歴、証明書PDF、カスタム項目を管理できるため、利用者が関連記録番号を設計して個体と証拠を結べます。
| 機器ID | 工程・ライン | 設置場所 | 用途 | HACCP記録参照番号 | 校正・確認方法 | 基準器 | 結果・判定 | 逸脱処置記録 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| T-01 | 受入ライン | 原料確認台 | 受入時の確認 | 受入確認記録 | 外部校正又は確認 | 基準に使う温度計 | 結果・手動判定 | 例外記録番号 |
| T-02 | 製造ライン | 工程確認位置 | 工程の確認 | 工程記録 | 自社手順による確認 | 基準に使う温度計 | 結果・手動判定 | 影響確認記録 |
| T-03 | 冷却ライン | 冷却確認位置 | 冷却時の確認 | 冷却記録 | 自社手順による確認 | 標準器 | 結果・手動判定 | 処置記録 |
| T-04 | 保管ライン | 保管確認位置 | 保管状態の確認 | 保管記録 | 自社手順による確認 | 標準器 | 結果・手動判定 | 再確認記録 |
表に示すT-01からT-04は、機器ID、工程、記録の関係を示す記載例です。実際には、現場の識別体系とHACCP記録の様式に合わせて、機器IDと参照番号を設計します。台帳に日々の温度値そのものを入力するのではなく、校正・確認の結果と関連記録の参照先を分けると、個体の管理目的を保てます。
周期・判定・逸脱時処置を自社ルール化する

周期、判定、逸脱時の処置は、温度計の用途と測定結果がどの工程・食品に関係するかを基に定めます。次回確認日だけでなく、判断根拠、処置、再確認を残すと、例外時の説明経路が整います。
用途・使用環境・メーカー情報から周期と判定基準を決める
周期と判定基準は、温度計の用途、使用環境、使用頻度、メーカー情報、要求精度、過去の結果を基に自社で決めます。台帳には、周期の根拠、決定者、承認日、次回確認日、見直し条件を持たせます。温度計を別のラインへ移したり、使用方法が変わったりした場合は、従来の設定をそのまま使わずに見直します。
判定結果は、使用可否と対応を含めて手動で記録します。計測器校正HUBでは合否を手動入力できるため、結果、実施日、実施者、関連する証明書を個体へ結び付けられます。周期の考え方を深めるときは、計測器の校正周期の決め方も参照してください。
許容範囲外では使用期間と関連する食品・工程をたどる
温度計の結果が許容範囲外であった場合は、対象個体、使用期間、関連する食品・工程、該当するHACCP記録、代替確認の有無を特定します。使用停止、隔離、再確認、影響評価、処置、使用再開の判断を例外記録へ残します。HACCP記録の参照番号が台帳にあれば、影響を確認する記録へたどりやすくなります。
使用期間を決めつけず、個体の履歴と工程での使われ方を確認します。期限切れ又は不適合時の一般的な対応は、校正期限切れ計測器への対応を参考に、食品工場では関連するHACCP記録との関係を追加します。処置を閉じる際は、再確認の結果と使用再開の判断者を残します。
HACCP温度計管理FAQ
食品工場の温度計は、工程・ライン・設置場所・用途を識別し、HACCP記録と校正・確認の記録を別々に保ちながら参照関係を作ります。校正年数を固定するのでなく、個体ごとの根拠と例外処置を残します。
HACCPでは温度計を年1回校正する義務がありますか?
食品衛生法施行規則 別表第十八は、温度計の校正や年1回という周期を定めていません。用途、使用条件、メーカー情報、顧客・認証要求から自社で決めます。
温度計の校正記録には何を書けばよいですか?
一律の法定様式ではありません。機器ID、実施日、方法、基準器、結果、判定、実施者、異常時処置、関連記録番号を実務項目として設計します。
複数ラインの温度計をどう識別すればよいですか?
ライン名だけでなく一意の機器IDを付け、工程、設置場所、用途、担当部署を関連付けます。移動時は所在だけでなく履歴も残します。
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- 校正実施日と周期から次回校正日を計算し、期限が近づくとメールで通知
- 監査用の台帳・校正履歴をPDF・Excelで出力
まとめ|温度計とHACCP記録を一台単位で追える状態にする
食品工場の温度計管理では、HACCPのモニタリング・改善措置・検証・記録と、個体単位の校正・確認を分けて扱います。工程、ライン、設置場所、用途、機器ID、関連記録の参照先を結び、分散した温度計を一台単位で追える状態にしてください。
計測器校正HUBでは、計測器台帳、保管場所、校正履歴、証明書PDF、カスタム項目を管理番号で結び付けられます。食品工場の記録様式に合わせて関連記録番号を設計し、校正・確認の結果と証拠を参照しやすくします。
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